2016年、はてなブログで「おっぱいが大きかったので会社員を辞めてポールダンサーになった話」と題するエントリーが話題をさらったポールダンサー・文筆家のまなつさん。胸のこと、ポールダンスとの出合い、自分を愛するとは……。さまざまなことについて、エッセイ形式で綴る連載です。
まなつ
2017.5.9
はじめまして、こんにちは。
私の名前はまなつと言います。
私のことを知らない人の方が世の中圧倒的に多いと思うので、簡単に自己紹介をさせてください。
私の仕事は「ポールダンサー」です。
ポールダンサーってなんぞや、と思いましたよね。
最近ではテレビとかで取り沙汰されてるのでご存知の人もいるかと思いますが、基本的には水着くらいの露出度の衣装で、ステンレス製のポールに登ったり降りたりしてます。
今は週に5日、夜の酒場やショークラブで踊って、ご飯を食べています。
逆さになったり腕だけで体を支えたり、見た目はセクシーなんですが結構な肉体労働です。
さらにはポールに登ることでアザができたり擦り傷ができたりと、妙齢の婦女子とは思えないほど生傷だらけになります。
そんな傷だらけになってもやめられないほど、ポールダンスには底知れぬ魅力があります。
そんなこんなで今はポールダンサーとして楽しく暮らしているんですが、ポールダンサーになる前はITベンチャー企業で会社員をしていました。
昨年11月に、会社員からポールダンサーになった経緯を
「おっぱいが大きかったので会社員を辞めてポールダンサーになった話」
というタイトルでブログに書いたところ、予想外にめちゃめちゃアクセスがあってちょっとした話題になりました。
この記事のタイトルの通り、私は、
「おっぱいが大きかったこと」
を同僚の女性にネット上で揶揄され、会社員でいることが嫌になってしまいました。
そして、趣味で楽しんでいたポールダンスを本業にすることにしました。
ポールダンサーでおっぱいが大きいと、露出度の多い衣装では目立ちますし、何かと重宝されます。
胸の間にチップを挟んでいただいたり、いいことづくめです。
しかし、会社員時代の私にとっておっぱいが大きいことは、いいことづくめどころか苦悩の種でした。
すべては、会社の同僚の女性がブログで私のことを「おっぱいちゃん」と呼んでいることを見つけてしまったことから始まりました。
彼女は、私が嫌いでそんなことをしたのではありません。
少なくとも、表面上、そしてブログの内容的にも、私に対する悪意は感じられませんでした。
一緒にランチに行ったり、愚痴を言い合ったりするくらいの仲ではありました。
彼女から見て私のおっぱいが大きかったから、私のことをおっぱいちゃんとブログに書いた。
ただ、それだけ。
それからは仕事中も自分がどう見られているか、気になって仕方なかった。
私は「おっぱいちゃん」なのか?
おっぱいちゃんでしかないのか?
自分の仕事ぶりよりも、おっぱいに注目されているのではないか?
そして、何を着ていいのかわからなくなってしまいました。
私は動きやすく体にフィットしたトップスが好きで、よく着用していました。
けれどそのブログを見てしまってからは、できるだけ胸の目立たない、ダボっとした服を選ぶようになりました。
「着たい服が着られない」のは、つまらないですし、ダボっとした服は太って見えて本当に嫌でした。
おっぱいが大きいことは単なる私の一部分なのに、それをこんなにも気にして、着たい服も着られないなんてつらすぎる。
おっぱいが大きいと、時に不自由だな、と思うことがあります。
それは、目立つことを恐れて着たい服を着られないこと、ブラのサイズがないこと、走ると痛いこと……など多岐にわたります。
けれど、不自由でも、私は私のおっぱいが好きです。
お互いに愛していたわって、一生そばにいてくれる私の大切なパートナー。
だから、おっぱいが大きいのは嫌だな、と思いたくなくて、私は会社を辞めて新しい道を選びました。
自分の体を嫌いになってしまうのは、とても悲しいことだから。
私も、最初から
「自分の体は愛すべき大切なもの!」
と言い切れるくらい、自己肯定感が高かったわけではありません。
20代半ばまで、自分のことが大嫌いだったし、生まれてこなければよかったと思っていた時もあった。
実は、こんな風に「自分の体を愛して大切にしよう」と思わせてくれたのも、ポールダンスのおかげでした。
それについては、また次回!
つづく。
(まなつ)
おっぱいと私 ~会社員をやめてポールダンサーになった私の日常~
第1回:着たい服は着られない服
第2回:褒められ上手になる
第3回:走りたくても走れない
第4回:おっぱいと恋
最終回:自分の体と向き合う
この記事が気に入ったらいいね!しよう
胸が大きな女性のためのお洋服やファッショントレンド、美容など様々な情報をすべて無料でお届け
公式ツイッターをフォロー インスタグラムをフォロー© 122 Inc.