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「胸が大きいことはいいことずくめ」じゃない! 渋谷のど真ん中でおきた盗撮の恐怖

「胸が大きいことはいいことずくめ」じゃない! 渋谷のど真ん中でおきた盗撮の恐怖

「女はどこまで『盛れる』のか? リンゴ2個分のパッドを詰めて分かった胸の大きな女性の苦悩」で、「巨乳体験」に挑戦したライター・トイアンナさん。実はその際、盗撮被害に遭っていたとのこと。その経験から考えた「胸が大きな女性」へのセクハラなどについてのコラムです。

トイアンナ

トイアンナ

2017.9.2

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こんにちは、トイアンナです。私はDカップで、良くも悪くも「フツー」のおっぱいの持ち主です。

 
 
 

しかし先日、リンゴ2個分のパッドを詰め込む暴挙により、巨乳体験をしてきました。8.3cm盛ったおっぱいは重すぎて即・汗だく。

 

と、ここまでは我々物足りないっパイでも想像できる巨乳の苦労だったんですが、実はもっとキツい巨乳ならではの苦悩がありました。盗撮です。

 
 
 

渋谷のど真ん中で盗撮される

事前に600gものパッドを詰め込んだ私は、撮影のために渋谷を訪れました。人の邪魔にならない場所を見つけてバッグを置き、撮影しようとした瞬間……カシャッ。あらぬ場所から撮影音が聞こえました。盗撮です。

 

トイ:いま、いま盗撮された! 後ろから!

 

スタッフ:え!? どれですか!?

 

慌てて目で追うと、全速力で逃げていくおっさんの後ろ姿が。奇しくも逃走経路は横断歩道で、追いかけようとした矢先に赤信号へ変わってしまいました。我々はとっちめることもできず、モヤモヤしました。そもそも一般的な「盗撮」でイメージしそうな場では一切なかったのです。

 
 

<一般的に想像されうる盗撮現場への誤解>

 

・人気のない通りで起きる
盗撮が起きた現場は渋谷の外れとはいえ、中規模の交差点沿い。横断歩道で信号待ちをする人もたくさんいました。「事件」が起きたときも、目撃者は我々以外にいたはずです。

 

・ひとりぼっちの時に狙われる
当日は撮影スタッフが張り付いており、どこからどう見ても「おひとりさま」には見えない状況でした。

 

・近づいても疑われなさそうな相手を狙う
スタッフ一同が撮影準備をしていたため、ライトやカメラ、着替えのバッグなど大荷物があり半径5m圏内に入ることはまず不可能でした。

 

・露出が激しい人が狙われる
着ていた服は、長袖のワイシャツに黒のロングパンツ。露出が激しいどころか、季節外れと言えるほど露出は限られていました。

 

・気が弱そうな相手を狙う
私の顔をご覧ください。気が弱そうでしょうか?

 

※性犯罪はどのような現場でも発生します。また、どのような状況や服装、時間で発生したにせよ、被害にあわれた方に落ち度は一切ありません。

 
 

真っ昼間に複数人で追いかけられたら、まず逃げられません。これだけ人がいれば警察に通報されるリスクも大。ここまでの状況を総合すると、当日の私は盗撮難易度MAX。ハッキリ言って、私が盗撮犯なら避ける相手です。それなのにわざわざ狙われたということは「胸が大きいから」以外の理由はないんじゃなかろうか。

 
 
 

胸が大きな女性へのセクハラは、日常的に起きるもの

実は、これまでにも似たような体験がありました。以前、パーティでオフショルダーのドレスを着たときのこと。胸が貧相だとドレス全体の印象が崩れてしまうので、パッドを詰めて参加したのです。その晩はただ歩いているだけで、通りすがりに「でかっ」「あいつのおっぱいすげーな」と声がかかり、不快でたまりませんでした。

 

百歩譲りましょう。おっぱいを盛っておきながら巨乳呼ばわりされて不快はおかしい。それはわかります。けれど、もともとバストが大きい方の気持ちはどうなるんでしょう? 

 

毎日街を歩くだけで「でけー」と無遠慮に性的なことを言われまくるって、気持ち悪いじゃないですか。私だって今や面の皮も分厚いアラサーですが、中高生のころにこんな言葉をかけられたら、人間嫌いになりそうです。

 
 
 

女性も等しく加害者。そして私も

バストサイズが大きい女性から実際にお話を聞いてみたところ、厳しいご指摘が。胸が大きな女性への日常的なセクハラは、女性も加害者なのです。

 

「女のかたのほうが、キツイですね。職場でいきなりおっぱい揉まれたことがあります。私を嫌いな人からは『顔はブスなくせに調子に乗って、あの胸だけ女』って悪口のネタにされたこともある。巨乳ってだけでわかりやすく態度変える男性っているじゃないですか。それが気にいらなかったんだと思います。
でもその男性も私のことは好きじゃないと思うんですよ。巨乳って体目当てのモテはありますけど、美人と違ってそれだけでプロポーズするほどの材料にはならない。だからモテるだけ損です。人から嫌われるばっかり」

 

このお話を聞きながら、ぎくりとしました。実は私も、かつて友達のおっぱいをノリで揉んだことがあります。許可はとりましたが、果たして相手は心の底から「いいよ、全然気にしないから」と思っていたんでしょうか。本当は心の底で「またこいつもおっぱい目当てかよ、クソ」と感じていたかもしれません。セクハラの加害者は、私かもしれない。いまさら謝罪することもできず、ただただ後悔しました。

 
 
 

胸の大きな女性が抱える苦労も、理解する努力をしよう

「いいよね、巨乳って」
「私もそんなおっぱいがあればな~」

 

豊かなバストを礼賛する言葉は、カジュアルに使われます。一般的には「誉め言葉のつもり」で投げてしまいがちな言葉じゃないでしょうか。けれど称えたつもりの「巨乳トーク」だって、受け手にとってはセクハラかもしれない。ましてやノリで胸を揉むのは立派な性犯罪です。

 

誰もがバストサイズを気にせず街を歩けるように、胸の大きな女性が抱える苦労も理解する努力だけはしていきたい。そう痛感した取材でした。

 
 
 

(トイアンナ)

 
 
 
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トイアンナ

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ライター。会社員時代の消費者調査をきっかけに人生相談を受け始め、 これまでに700名以上へアドバイスを実施。
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