E~Gカップで展開しているランジェリーブランド「ivyy(アイヴィー)」。ブランドの代表兼デザイナーの原田奈津美さんに、ブランド誕生のきっかけやデザインのこだわりなどを伺いました。
池田園子
2017.7.16
Eカップからサイズ展開する、ボリュームバストな女性向けのランジェリーブランド「ivyy(アイヴィー)」。2016年12月にブランド初となる商品を発売後、じわじわと話題を集めています。
ブランドコンセプトは、“自分にフィットするサイズの品数がないことが理由で、アンダーウェアのおしゃれに妥協をしてしまっていた女性のために”。
開発者は、自身もFカップのボリュームバストの持ち主で、20代前半までランジェリー選びに悩んでいたという、ブランドの代表兼デザイナーの原田奈津美さん。
ivyyというブランドに込めた想い、そしてこれまでになかったランジェリーで実現したい未来とは――。原田さんに話を聞きました。
(お話してくれた原田奈津美さん)
――現在発売されている「DIANA」と「MOKARA」、どちらも大人に響くかわいさがあり、かつ品のあるデザインですね。Eカップには程遠い私ですが、欲しくなります(笑)。
ありがとうございます(笑)。そう言っていただけて、すごく嬉しいです。自分にとっては自信作でも、販売開始して、お客様の声を聞くまで、「本当に“かわいい”と思ってもらえるかな?」と、気が気じゃないので……。
ただ、商品開発をする上で、常に心がけているのは、見た目や色合いなど、デザインのかわいさを最優先にすること。それに加えて、洋服にも響かず、バストを包み込む安定性があるなど、機能性もしっかり押さえること。かわいい、は大前提なんです。
――ボリュームバストな女性からは、「かわいいランジェリーがない」「そもそもサイズがない」といった悩みを、本当によく聞きます。
大きいバストをコンプレックスとして隠すのではなく、強みにしてほしいし、楽しんでほしい、というのがivyy、そして私たちの想いです。これまで「バストが大きいからかわいいランジェリーを着けられない」と、どこか諦めてきた気持ちをなくしてほしい。ivyyがそのお手伝いをできたらなと。
――ivyyというブランド名やサイトのデザインからは、植物の「ivy(アイビー)」を連想させますが、そこにはどんなメッセージを込めているのでしょうか。
表記を「ivyy」としたのは、「ivy」に「y」を重ねて4文字にすると、バランスも良くなるし、「おっぱいっぽく」見えるから。そう見えませんか?(笑)
――言われてみれば、たしかに!(笑)
アイビーは多くの人が「ああ、アイビーね」とわかる、見慣れた植物だと思います。だから、目に入ったところで、わざわざ注目はしないし、特別に意識もしないでしょう。すべての人に知られたり、注目されたりしなくてもいいけれど、ivyyを求めている人の目には留まってほしい――。ivyyというブランド名には、そんな想いも込めています。
もうひとつ、アイビーは「蔦」のイメージが強いと思いますが、実は小さい花も咲かせるんですよ。その花は、ボリュームバストな女性たちにとって、希望の光のような存在であってほしい。という風に、いろいろなメッセージを含んだブランド名なんです。
――そもそも、ivyyを開発する以前に、原田さんがランジェリーに興味を持ったのは、いつ、何がきっかけだったんでしょうか。
モデルの仕事を本格的に始めた二十歳の頃ですね。初めて出たファッションショーの舞台裏で、モデルはみんな、自前のランジェリー1枚になって、スタイリストさんに衣装を着せてもらうんです。周囲を見回すと、みんな堂々と服を脱いでいました。でも、私はそのとき、「自分の身に着けているものが恥ずかしい」という思いで頭がいっぱいで。
――それは、気に入ったランジェリーを着けていなかったからですか?
当時は「サイズが合えばいいや」という感覚で選んでいたんです。だから、全然かわいいデザインではないし、自分が身に着けているものに、まったく満足していない状況で。
すごく素敵な衣装を着させてもらっているのに、その下にはチープでかわいくないものを着けている状況を恥ずかしく思っている――。そんな自分が嫌だし、恥ずかしいと思い続けるのも、自分が女性であることを否定しているようで、決して良いことではないな、と感じました。
――違和感があった、と。
ですね。高校生の頃からランジェリーを買うときには、必ずサイズを測るようにはしていましたが、それからはサイズだけでなく、少し奮発して気に入ったデザインのランジェリーを買ったり、見にいったり……と意識が変わっていきました。次第に、洋服にかけるお金を減らして、質のいいランジェリーを買うようになりましたね。
――ただ、(ボリュームバストの女性にとって)サイズ・デザイン共に理想通りのランジェリーって、日本にはあまりないですよね。当時も今も。
その通りです。20代前半頃から海外を旅する機会が増え、ランジェリーは海外でまとめ買いするようになっていました。海外だと私(Fカップ)のサイズはありふれていますし、かわいいデザインも豊富にあるんですよね。最初の頃は、旅好きだし、海外で好みのランジェリーが手に入るなら、何の問題もないと考えていました。
でも、ふと思ったんです。なかなか休みがとれなくて、望んだときに海外に行けない女性もいる。もし彼女たちが、バストのサイズが大きいあまりに、かわいいランジェリーを諦めていたら……と想像しました。そこで、「日本にかわいくて大きいサイズのランジェリーがないなら、私が作ればいいんだ!」と思い立ったんです。
――そこからは怒涛の勢いですね。
TOKYO GIRLS COLLECTIONのビジネスアイディアオーディション「Win Girls Project」(2015年)で優勝し、2016年3月に起業。それから商品発売まで8ヶ月かかりましたが、「かわいいものを作りたい」という想いを燃料に走り続けてきました。
――ここからは、ivyy第1号となる商品「DIANA」「MOKARA」の特徴やこだわりを伺っていきます。まず、どちらも、レースの使い方がとてもエレガントですよね。
世界的に有名なランジェリーブランド「ラ・ペルラ」でも使用されている、高品質なレースを贅沢に使っています。ショーツ(ヒップハング/タンガ)にもたっぷり用いているのが特徴です。
(左から「DIANA」のNAVYとPINK)提供:ivyy
(左から「MOKARA」のBLACKとBEIGE)提供:ivyy
――デザインとして特徴的なのは、MOKARAのバージスライン部分とストラップ、ショーツの上部リボンに同一の素材が使われていること。とてもおしゃれです。
バージスライン部分にデザインを入れたブラジャーは、あまり例がないと思います。また、前から見るとシンプルなモールドカップである分、サイドベルトにはレースを多めに使って、華やかなデザインに仕上げました。
――適度な透け感も色っぽく感じます。
チュールネットという素材を使って、肌がきれいに透けるようにしています。デザイン的に美しいだけでなく、通気性が良くなるメリットもあるんですよ。
――機能面ではどんな点にこだわりましたか?
サイドベルトにサイドボーンという、“骨”になる素材を入れています。サイドボーンがあるのとないのとでは、バストを支える力がまったく違います。
――サイドボーン、初めて見ました。
大きめなサイズのランジェリーでなければ、あまり使われていない素材かもしれません。カップサイズが大きく、布の面積が広くても、できるだけかわいく見えるように、ストラップは一般的な細さにするなど、あまり「ゴツめにならない」よう気をつけています。
代わりに、サイドボーンや太めかつU字カットにしたサイドベルトなどで、バストのサポート力や安定感、ワキ肉のはみ出し軽減などを実現しています。
さらに、MOKARAはカップとストラップのつなぎ部分(ツノ)を立てているので、ワキ肉をしっかり集めて、バスト全体をしっかり包み込む設計に仕上げました。お客様には機能面でいうと、「ワキ肉がはみ出さない」点を一番喜んでいただいているように思います。
――最後に、原田さんご自身が日頃行っているバストケアについて、教えていただけますか。
かれこれ10年ほど前から続けているのが、背中の肉を前に流して、胸の肉と合わせる、といった運動、というか動きですね(笑)。背中〜ワキあたりのはみ肉は、昔から気になっていたんです。主にバスタイムに行っていますが、気づくとしていますね。もはや習慣です。
もうひとつ、指を折り曲げた第二関節部分で、鎖骨やワキ周りのリンパをゴリゴリと流すように動かしています。バストが大きい人によくある悩みでもある、肩凝りの解消にも役立っているような気がします。
――ボリュームバストな女性にとっては、「バストが垂れてしまう」ことも、大きな懸念点だと聞きます。バストが垂れないための取り組みは、何かされていますか?
バストの前で両手を合わせて力を込めて押す、といった、あの有名な動きはしていますね。ただ、ブラジャーを正しく着けるのが、バストの垂れ防止に最も効果が期待できると思います。
「肩に食い込んで痛いから」という理由で、ストラップをゆるめにしている方、購入時のままストラップを調整していない方、「楽だからアンダーバストがゆるめのサイズのものを着ける」といった方も案外多いです。
「楽さ」を求める習慣を正すだけで、バストは変わっていくと思いますよ。バストが垂れる主な原因は、バストを支えるクーパー靭帯という組織が伸びたり、切れたりすることだといわれます。
自分のバストに合ったブラジャーを正しく身に着けて、バストを釣り上げて、バストにとって良くない刺激となる“揺れ”を軽減するのが、一番のケア方法になります。
「ランジェリーを洋服のように楽しんでほしい」。そんな想いが詰まったivyyのランジェリーは、ボリュームバストのために、サイズとかわいさを兼ね備えたランジェリーに出会えず、悔しい思いをしてきた原田さんのこだわりが、細部にまでぎっしり反映されていました。
ボリュームバストの女性に嬉しい機能を盛り込みつつ、「身に着けてみたい」と本能的に思わせたり、「私がこれをまとったらどんな感じだろう」とワクワクさせたり、といった“ときめき”を感じさせるビジュアルも優れています。
「かわいい、は前提」。原田さんのその言葉が強く印象に残りました。女性の心をぐっとつかむデザインを損なうことなく、考え抜かれ、計算し尽くされた機能性を付与。ボリュームバストな女性が自身のバストを肯定でき、自信を持てるのではないか、と思えるランジェリー。早くも新作が待ち遠しいです。
(池田園子)
“自分にフィットするサイズの品数がない事が理由で、アンダーウェアのおしゃれに妥協をしてしまっていた女性のために”をコンセプトにスタートアップした、Eカップから展開するランジェリーブランド。8月下旬には新作を発売開始予定。いずれはH、Iカップ、アンダー75cmまでの展開を予定。
http://ivyy.tokyo/
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